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01. 今回出資に至った経緯


三井:小川さんとは2021年6月に初めてお会いしました。分散型IDのテクノロジーや国際標準化の動き、新しいインターネットの仕組みについて熱くお話したことを覚えています。当時はこの領域を理解してくれる方がほとんどいなかったので、とても心強かったです。その後、本格的に事業を立ち上げるタイミングで、真っ先に小川さんに相談にいきました。今回リード出資するに至った経緯や、この領域のテクノロジーをどのように捉えているのかを伺いたいのですが、まずは小川さんからよろしいですか?

小川:三井さんの見方と似ていますが、私はWeb3と呼ばれる次世代インターネットの動きの本質は、アプリケーションではなく、より下のインフラレイヤーの技術革新にあると考えています。ハードウェア(CPU)性能は非連続に進化し、アプリケーションデータの量も増加し続けています。このため、これらを支えるインフラレイヤーに技術革新が必要です。これはほとんどの人が気がついていないミッシングリンクで、世間が注目しているものとは違う形で市場に浸透すると予想しています。私自身も、メタバース事業を立ち上げ、OSS事業を展開した経験があります。**この領域でグローバルな標準を獲得するインパクトは計り知れません。**特にCG社が取り組むIoT領域には、プロトコルやスタックがまだ未整備で、多くの課題が残っています。ハードウェア(CPU)の中心がこれからIoT機器に移っていく中で、業界全体の深いペインを解決し、各産業の変革を支えるデータインフラ事業に超巨大なポテンシャルを感じています。

このレイヤーを深く理解しているチームは非常に稀で、三井さんのような年齢でこの領域をここまで把握している人は会ったことがありません。CG社の経営チームが持つ高い専門性と技術力、国際標準化を推進してきた実績グローバルを目指したOSS戦略、顧客やパートナーからの高い評価、短期間に事業成長を続けるチームに非常に大きなポテンシャルを感じ、今回リード投資させていただきました。実は、御社のようにかなり早い段階のシード案件に出資することはあまりなく、投資委員会を通すためにかなり慎重に準備を進めました(笑)。

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三井:ありがとうございます。イレギュラーな案件だったんですね(笑)。CTC事業にも詳しい小林さんは、弊社事業やこの領域のテクノロジーをどのように捉えていらっしゃいますか?

小林:今回のCG社への投資検討を進める中で、足りない部分を明確に認識できました。IoTは社会インフラとして広がり続けていますが、データを支えるインフラ技術がないとスケールアップが困難で、ここをCG社が解決する点に強い魅力を感じています。

CTCの中でもデータベース、データセキュリティ、AI/BIソリューションなどを多く扱っていますが、データ流通を支えるインフラが整備されていないと、現場のビジネスにこれらのデータソリューションを適用することが困難です。ビジネスの現場では、データの規模、信頼性、多様性が必要ですが、これらが揃っていないとデータ本来の価値を発揮できません。御社がこの欠けているピースを埋めることで、IoTデータ活用が業界全体で促進されることは非常に魅力的だと感じています。

02. グローバルスタンダードに向けて


三井:ありがとうございます。IoTデータ活用が業界全体で促進されるためには、新しいデータインフラを誰もが簡単に使えるよう民主化していく必要があります。ですので、僕らにとって分散型IDの国際標準化とOSSは重要な戦略です。一方で、この国際標準化やOSS戦略については、説明しても理解されにくいこともあります。小川さんは、スタートアップにおいての国際標準化またはOSS戦略をどのように考えていらっしゃいますか?

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